『鳩笛草 燔祭/朽ちてゆくまで』~特殊能力故の悲哀
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| 書名 | 鳩笛草 燔祭/朽ちてゆくまで |
| 著者 | 宮部 みゆき |
| 出版社 | 光文社 |
| 体裁 | 文庫本 |
| 価格 | ¥620 (税込) |
| 評価 | ![]() ![]() ![]() ![]() |
宮部作品は、SF・ミステリー・時代物・ファンタジー(アドベンチャー)・・・とイロイロ種類豊富にあります。
有名なのは、映画化にもなった「模倣犯」「ブレイブ・ストーリー」などですよね。
が、私個人的には、地味な本作品が好きです。
タイトルにあるように、「鳩笛草」「燔祭(はんさい)」「朽ちてゆくまで」の3つの中篇が収められています。
この作品のキャッチコピーとして「異色ミステリー」とか「SF」とか銘打ってあるようですが、ちょっと違和感を感じます。
なぜなら、3つの話の共通点は「超能力を持った“普通”の女性」。
確かに「超能力」というと、派手でミステリアスで現実離れしたイメージがあるのですが、この作品の主人公はあくまでも普通に日常を送る女性達。
その特殊能力故の葛藤や苦悩などが、女性の細やかな情感を盛り込んできれいに描かれています。
(「燔祭(はんさい)」はちょっと違いますが・・・)
また、中篇はたまに物足りなさを感じる時があるのですが、この3作品に関しては実に良くまとまっていて、ストーリーとボリュームがピッタリです。
どれも良い話なのですが、私が好きなのは「鳩笛草」。
超能力をうまく使って刑事になった女性がその能力を失いつつある過程が描かれています。
超能力を除いた自分の実力に疑問を持ったり、また能力を失う過程での酷い体調不良により自分の身体がどうなるのか分からない不安など、能力者故の苦しみ、一人の女性としての悲しみが伝わってきて、切なくなります。
それから「燔祭」ですが、長編小説「クロスファイア」へと繋がるプロローグ的な話しです。「クロスファイア」を読まれた方も、読んでいない方も是非!
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