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『十角館の殺人』~「新本格ムーブメント」のきっかけ作品

十角館の殺人(新装改訂版)
書名十角館の殺人(新装改訂版)
著者綾辻 行人
出版社講談社
体裁文庫本
価格¥730 (税込)
評価face02face02face02face02face02


綾辻氏のデビュー作品にして、新本格派のムーブメントを巻き起こした、日本ミステリー界でも衝撃的な作品です。
もちろん、私自身にとっても衝撃的な作品で、すぐに他の作品も読み漁り、他の新本格の作家も読み漁り・・・この作品に出合わなければ私は日本の新本格ミステリーを読むことはなかったかもしれません。
そのくらい、「日本ミステリーって面白いかも」と思わせてくれた話です。

ストーリーは・・・
著名建築家にまつわる凄惨な事件のあった、九州にある小さな島。
そこに、大学のミステリ研究会のメンバーが訪れる。
「事件のあった島で合宿をする」という、お遊び気分で訪れた彼らを待ち受けていたものとは・・・
孤島での連続殺人、一人また一人と殺されていく中で、親しいはずの仲間達の誰が犯人なのか?

前回紹介した『そして誰もいなくなった』のモチーフが使われています。
が、そのネタを知っている人も騙され、古典ミステリ派もうならせます。
もっとも、デビュー作ということもあり、作者自身は作品の粗さが気になるようで、そんなことをあとがき(新装改訂版のほうかな?)にも書いています。
でも、私自身はその荒っぽさというか勢いみたいなところというかシンプルなところが好きなんですピンクハート
十角館の殺人(旧文庫版)
この作品は、その後『館』シリーズとして続いていきます。
まだ、この館シリーズは完結していない・・・はずで、これからも次作品がでるのをファンは気長に待っています。

そして、私がこの本を読むきっかけになったのは、この表紙→
その頃は特に「新本格」の騒ぎだとかは全く知らず、本屋にヒラ積みされていた本を見て「お家の絵がカワイイ♪」という、そんな軽い気分で暇つぶしに買った本でした。
この表紙でなければ、綾辻作品に触れることはなかったかもしれません。
この表紙を書いたのは辰巳四郎氏で、残念ながら2003年に鬼籍に入っています。
その為、それ以後の作品は別の方の装丁になっています。
(暗黒館からかな?うろ覚えですが、京極夏彦氏がハードカバーの表紙を手がけていたと思います)

それから、今回写真掲載した「新装改訂版」ですが、加筆修正が特に違和感なかったので、旧文庫ファンも再度楽しめると思います。
字が大きくて読みやすく、装丁も新たになり(これはしょうがないけどチョッピリ残念)、あとがきと解説(戸川安宣氏)も新たに追加されています。解説は、旧文庫収録の鮎川哲也氏のものも残されています。
が、なんといっても一番の変更点は、「あの一行」を活かす体裁になっていること!
この部分の修正のために「新装改訂版」を買ってしまった私ですが、きっと同じようなことを思っているファンはたくさんいると思います。

  

『そして誰もいなくなった』69年後の今でもミステリー最高傑作

そして誰もいなくなった
(写真はハヤカワ ミステリ文庫)
書名そして誰もいなくなった
(And Then There Were None)
著者アガサ・クリスティー
出版社ハヤカワ書房
体裁文庫本
価格¥714 (税込)
評価face02face02face02face02face02


夏が近づいてきたので、今月はミステリーフェア開催♪
「真夏の夜とミステリ~」とどこぞの出版社のキャッチコピーのようなノリで、ミステリー作品を紹介したいと思います。


第一弾は、王道中の王道、ミステリーの女王 アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』

今更、私が紹介することもないほど有名な作品です。
ミステリーを読まない方でも、題名だけは聞いたことがあるのではないでしょうか。

~海辺の田舎の沖合いに不気味なシルエットを眺めることができる、インディアン島。所有者は謎の大富豪U・N氏。その島に招待される、職業・階級・年齢・性別・経歴も様々な10人の人々。共通の友人でもない彼らが晩餐の食卓に着いた時、恐ろしい事件が幕を開ける・・・

嵐の孤島、謎の大富豪、集められた曰くありげな10人の招待客、象徴的に絡むマザーグースの「10人のインディアン」の唄・・・と舞台効果満点!
テンポも良く、一気に孤島の舞台に引きずり込まれます。

本作品は、有名な「ポアロ」「ミス・マープル」等のシリーズに属さないノン・シリーズ作品ですが、おそらく一番有名な作品ではないでしょうか?
でも、ノン・シリーズということで、クリスティー作品を読んだことがない方には、読みやすいかも知れません。もっとも、シリーズ物も一作一作が独立しているので、適当にチョイスして読んでも全く支障はありませんが。

私がこの作品をいつ読んだのか、ハッキリ覚えていないのですが、おそらく10代の頃。
あまり、ミステリーを読んでいなかった頃で、とにかく衝撃を受けました。
逆に、ミステリー初心者(今でもそうですが・・・)の時に読んだのも良かったのかもしれません。
なぜなら、あまりにも有名なこの作品、現在のミステリ作品に影響を及ぼしている為、小説や漫画や映画などなど、イロイロな作品でその内容(ネタ)が出てきてしまうからです。

ミステリーをあまり読んだことない方には、特に一押しの作品!
王道古典作品のオモシロさに夢中になれると思います。

P.S.
クリスティー作品は、他にもオススメがたくさん!
もし、次に何を読もうか・・・ということなら、とりあえずクリスティー3大作品を制覇してみては?
3大作品の一つは、本作品。
もう一つは「アクロイド殺し(名探偵ポアロシリーズ)」。今でもトリックに物議をかもしている、本格ミステリー派向け。
もう一つは「オリエント急行の殺人(名探偵ポアロシリーズ)」。映画かもされており、どちらかというと謎解きよりもエンタメ性が強い感じです。
どちらも、「そして誰もいなくなった」と同じ有名作品で、イロイロな作品でその片鱗を見かけることができます。

icon12クリスティ文庫(早川書房) オフィシャルサイトはコチラ



上記写真のハヤカワミステリー文庫から一新したクリスティー文庫!
装幀・翻訳も一新、全作品に著名作家多数を含む解説付。
活字も大きくなり、読みやすくなっています。  

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